ブログNo.96 濃厚接触者の問題

2022.09.11

8月下旬、自分の家族が新型コロナウイルス陽性となり、自分も濃厚接触者となり、5日間の隔離で出勤が急遽できなくなりました。

 

その間、外来が急遽変更になるなど、大変ご迷惑をおかけしました

 

幸いにも自分はホテルに自主隔離したこともあり、感染することなくすぐに復帰することができましたが、この第7波は、当院にもコロナ陽性者、濃厚接触者が相当数出ました。

 

当院のような規模の小さい病院ではクラスターにならなくても(幸い今まで一度もクラスターになってません)、複数の職員がコロナになったり、濃厚接触者になることで、簡単にマンパワー不足に陥り、業務上一気に支障が出ることもよくわかりました。

 

これらのマンパワー不足は、医療体制崩壊の1つの原因になったと思います。

 

これは一般企業も一緒でコロナ患者や濃厚接触者が増え、働く人手が足りなくなって困っているところは多いです。

 

 

こういう問題もあり、先日コロナ患者の療養期間が7日間に短縮されたところですが、次は濃厚接触者の廃止をそろそろ検討してほしいところです

 

現在流行地しているオミクロン株は、以前言われていた発症前にピークがあるものではなく発症後にピークが見られるという報告もあります。

 

そのためあまり濃厚接触者を追う必要がない可能性があります。

また、医療機関において、発症から2日前まで遡って、接触した人を聴取することの手間やそれに対するゾーニング(接触した人を検査したり隔離したり)は非常に手間になります。これも医療逼迫の1つの理由になっているのです。

 

これをクリアした上でその次が5類感染症でしょうか。

 

まだ政府としては5類にはしないと言われてますが、先日のブログで述べたようにおそらく、5類にしても各医療機関が院内感染を恐れるため、結局実質は医療体制としては大きく変わらないのだと思います。

 

今後どれくらいで元の状況に戻るかですが、自分の予想しているシナリオは願望込めて以下です。(もちろん次の変異株次第なので、当たるかどうかは別です)

 

○2022年秋〜冬:濃厚接触者を廃止

 

○2023年春:5類となり、外来患者においては、どこの医療機関でも診れるような形に誘導されるが、一方でコロナ患者の入院を受ける病院は今と同じで限定的(なお当院はコロナ患者の入院、すでに1年にわたって受け入れてます)

 

○2023年夏:過去3回とも夏に流行っていることを考えると来年も夏に大きなピークが来る可能性があります。
この際、入院患者に対しても、どこの病院でも診れるような形が作られ徐々に(というか、なし崩し的に仕方なく)浸透

 

○2024年:医療体制含めて、ようやくインフルエンザと近い形になる。=事実上の収束

 

ということであと2年は、かかりそうな感じです。スペイン風邪の2−3年をゆうに超えてしまうことになります。

 
         医療法人 紫苑会 藤井病院|宮阪 英 副理事長
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