ブログNo.95 救急医療崩壊

2022.08.19

第7波が猛威をふるう中、全国で救急医療崩壊が起こってますが福山も例外ではなくなっています。

 

発熱患者(ほとんどコロナです)の激増で全体の患者数が激増してます。インフルエンザ繁忙期以上です。

 

一方、救急受け入れの中心となる大きな病院で院内クラスターでの救急受け入れ制限・病棟閉鎖、またクラスターになってない病院でも、どこも職員にコロナ患者・濃厚接触者が発生し通常業務を回すことすら困難な状況です。

 

言ってしまえば、需要と供給が完全にアンバランスになっています。

 

この状況で、休み返上で働いてる職員も多数で、ほとんどの病院は限界を超えて頑張っていると思いますが、それでも患者さんを見きれないので、完全に医療崩壊と言って良い状況です

 

しかし一方で街に出ると多くの人で賑わってます。先日も車の外から見ましたが3年ぶりの夏祭りに多くの人が集まっていました。もはやコロナなんて忘れ去られたかのよう。

 

メディアも、第7波の多さだけ取り上げて、医療崩壊は取り上げないので、多分医療者じゃない方は、発熱で病院受診して初めて その異常な事態に気づきます。

 

この2年みんな我慢してまた経済を止めてきたのである程度仕方ないのかもしれません。と言うより医療者以外は、こんなにコロナ患者増える状況でも(増えて当たり前になったからこそ)、自然に今までの生活に戻せるようになってきているということです。

 

確かにもう、そういうことを制限する時代ではなくなったのかもしれませんし、自分としても、強い行動制限はすべきではないと思います

 

ただ、一方でなんども言うようにかつてない医療崩壊が来ております。

 

救急車を呼んでも、受け入れ先がなかったり、福山はコロナ入院病床も完全に埋まり、通常なら入院になる人も入院できない状況。

 

コロナのあおりで、手術が必要な人も迅速に手術ができない状況なのです。

 

コロナ以外の疾患も含めて適切な医療が提供できず全体の救命率が下がってしまう状況なのです

 

その状況は市民の皆さんに知ってもらう必要があると思います

 

どちらかという問題なのはこの医療体制含めたシステムだと思います。現状の2類、5類という話だけではなく

・検査しないと診断がつかないことになっている状況(他の県では、同居家族が陽性で症状あれば、インフルエンザの時のように、検査せずともみなし陽性 で診断できます)

 

・陽性者が10日間休業しないといけないこと、濃厚接触者もどんなに長くても5日間休業しないといけないこと

 

・クラスター時の保証などを手厚くして、通常の病棟でも診れるような体制がない(どこも医療機関はクラスターを恐れてます)

 

もうこれだけ感染者出ているのだから、社会を回すために、検査なくてもさっさとみなし陽性ででも診断して、休業期間をもっと短縮して というインフルエンザに近い形に合わせないといけないと思います。

 

 
         医療法人 紫苑会 藤井病院|宮阪 英 副理事長
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