ブログNo.71 新型コロナウイルス⑥「弱毒化している可能性」

2020.08.10

日に日に新型コロナウイルスの感染者が増えてきています。

 

1日新規感染者の数は、4−5月の数をはるかに超えてます。

 

にもかかわらず、我々医療関係者も含めて市民が、(もちろん警戒していないわけではないですが)、前ほどの警戒感はないように見えるのは何故なのでしょうか?

 

 

やはり1つは、緊急事態宣言が出てないからということがあると思います。

 

別の理由としては、人間は未知のものは恐れますが、同じ刺激では、最終的に「慣れて」しまう生物だからではないかと思っています。最初はウイルスの特徴が未知であったのが大体わかってきたために少し慣れてきてしまったということです。

 

それと同時に重症者・死者の数がそれほど増えてないというのもあるかもしれません。

 

では、今回は何故重症者・死者が増えていないのでしょうか?

 

①重症化しにくい若者ばかりかかっているから?
②前回と違って無症状の濃厚接触者にもPCR検査を積極的に行っているから?
③病院の方に受け入れの余裕ができているから?
④ステロイドなど治療薬も少しわかってきたかr?

 

もちろんこれらの要因もあると思います。しかしそれだけではないような気がしています。

 

現在、データを見ていると若者だけではなく、無症状の人だけでなく、50−60歳代や高齢者の感染者も前回同様増えてきているにも関わらず重症者が思ったほど増えていないのです。

 

各医療機関の努力もあるのだと思いますが、希望的観測になりますが、ウイルスが弱毒化している可能性もあると思います。

 

本来ウイルスは、増殖することが目的です。しかし宿主となる人間が亡くなってしまうと増殖できないので、人間を殺さない程度の毒性になる(一方で感染力の方は増す)のが、理にかなっています。

 

実際、過去のいろんなパンデミックもウイルスが弱毒化することで落ち着いてきたケースが散見されます。

 

まだまだ落ちつくのは時間かかると思いますが、少しずつ弱毒化し、通常のインフルエンザと同じようになって最終的にはおさまるのではないかと期待しています。

 

しかし、唯一の心配が最初の冬です。この冬に反対に強毒化しないかだけが心配です。

 

福山市医師会でも冬に(早ければ秋に)向けて、きちんと体制を作っていきたいと思っています。

 
         医療法人 紫苑会 藤井病院|宮阪 英 副理事長
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