ブログNo.61 ストレス社会⑥「どうやって変わるか」

2019.10.30

このストレス社会の中、どうやって自分を(患者さんを)変えていくかですが、いまだに自分の中でも難しいテーマであり、完全には答えは出ていません。

 

ただ1つ言えるのは、意志だけではなかなか変わらないということです。

 

ブログNo.30でも、「人が変わるには意志だけではなく何らかの仕組み」が必要だと書きました。

 

それは前回も書いたように、人間の脳が変化を嫌う臓器だから簡単には変わらないからです。

 

しかし、いくつか鍵がありますので、それを紹介しようと思います。

 

ポイント1:スタートは決心(自分の意志)
いくら意志より仕組みが重要と言っても、よっぽどの環境以外は、スタートは自分である程度意志(決心)がないと始まりません。まずは変わろう思うことがスタートですし、そして変わりたいならどうなりたいのか、そのためにどうしないといけないのか考えないといけません。

 

ポイント2:人に宣言する
責任感が強い方の場合特に効果的です。
人に宣言してしまえば、自分との戦いに負けても続けることができるのです。
続けるのが苦手な自分がこのブログを続けているのも、まさにこれのおかげです。
宣言するのは家族でも親でも誰でも、職場の人でも誰でもいいのです。

 

ポイント3:少しずつ始める
例えば、毎日歩くことを目指すとしたらとりあえず最初の目標は1日1分でも良いです。むしろ目標は長い時間でない方が良いと言えます
いきなり目標1日30分とかやってしまうと最初の数日はモチベーションによってなんとかできますが、モチベーションが下がってくると途端に億劫になります。モチベーションに頼った習慣は、絶対続きません。

大事なのは続けることです。1日1分でも良いから続けるということを目標にしてください。1分だとなんとかできると思います。そうすると自然にその第一歩が習慣になります。
そして結果的に乗ってくるともう少しやろうかなという気になるので、結局よっぽど辛い日以外が1分で済むことはなく結局30分程度することになります。

 

ポイント4:トリガーを利用する
例えば、朝勉強をしたいと思った場合、起きてすぐのところに勉強机に向かえるように目の前においておくことで、スムーズに勉強に移行しやすくなります。
これを繰り返しているうちに、自然に朝起きたら机に向かって勉強をするようになるのです。
(これが勉強するところが近くになければそう簡単にはいきません)

とにかくやりたいと思ったことに対して、それをスムーズにできる環境を整えることが大事です。

 

ポイント5:失敗してもリセットしない
完璧主義の人に多いですが、ちょっと頑張っていて1回でも失敗したり続かないということがあります。
なので、ダメなことが予想される場合は、前もって手を打っておく方法もあります。

例えば、毎日朝走ることを目標にしている場合、できなかったら次の日に2日分走ればOKにするとか もしくはその前の日に、翌日の分も走っておく とかです。

 

いずれも運動で例えましたが、運動とかの「行動」の習慣化以外に、「態度」であっても同じようにやって変えることは可能です。

 

例えば怒りっぽい人が
・「何があっても怒らない」ことを最終目標としてと決め
誰かに宣言し
・まずは1日1回でも怒る回数を減らす ことを目標にし
・怒ってるなぁと思ったら深呼吸する(一種のトリガー)ようにし冷静になるように 決めておき
・もし1日起こる量が全く減らせず失敗したとしても、翌日2回減らせたら問題なし とします。

 

これらを続けることで、態度は行動に比べて変えにくいのは事実ですがそれでも徐々に変わっていきます。

 

とにかく、まず変えようと決心し、人に宣言し、少しずつ始め、トリガーを利用し、失敗してもリセットしない(前日前もってや、翌日挽回できればOKとする)ことです。

 

またこれらの行動を踏まえて、どうやったら上手く行ったかどうやったら上手く行かなかったか含めて日記に毎日記すのも良いと思います。

 

 
         医療法人 紫苑会 藤井病院|宮阪 英 副理事長
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