ブログNo.57 ストレス社会②「薬での治療」

2019.06.09

前回、ストレスが原因で様々な症状が起こる ということを書きました。

 

前回のブログを書いた後わずか1ヶ月以内の間にも、何人もの方が同様の状況で私の外来を受診されております。

 

中にはブログを見て、まさに自分の症状とぴったりだと 思われて来院された方もおられます。もちろんこれがストレスだと気づいている方もおられれば、気づかれていない方もおられます。

 

同様のことは明らかに増えていると前回書いた通りですが、中にはすでに色々病院に回っていろんな治療をしてそれでも良くならないと、来られているケースが多いです。

 

治療薬は一時的には効果を間違いなく発揮します。苦しさを取るために必要なことはあります。

というのも例えば安定剤を使ったところ、しびれ、吐き気、不安感、胸のつかえ感などの症状が改善することがかなり多いのです。なので苦しいときの一時しのぎとしては是非使っても良いと思います。そして安定剤が症状に効くことが、症状が内臓の病気ではなくストレスによって起こっていることを意味する大きな手がかりになります。

 

しかし薬(特に精神安定剤)には注意点があって、
①ふらつきや眠気などの副作用が出ることがあること
②特に作用時間の短い安定剤(デパス、エチゾラムなど)ほど切れ味は良いけど依存性が高いこと
③一時しのぎで根本的な治療になっていないこと

 

を意識するべきです。

 

ではお酒はどうですか?ということをよく聞かれますが、お酒も一時的な症状の改善にはとても良いものです。先ほどの安定剤と一緒で、お酒を飲んだ直後に症状がとれる場合は、やはりストレスによるものと考えられます。
しかし大量のお酒を飲んでいると余計に不安感が酷くなる事がわかっていますし、安定剤と一緒に飲むと安定剤が効きすぎることがあるので注意が必要です。

 

西洋医学の薬や対処法は基本的には一時しのぎであると考えるべきです。

 

ではどうするか ということですが、私が考える方法は3つです。

①(ストレスとなっている)環境を変える
②ストレス発散方法を見つける【コーピング】
③自分の考え方を変える【認知を変える】

 

次回以降詳しく述べていきますが、①ができれば一瞬で解決することもあります。が実際にはなかなか難しいことが多いです。
根本治療に近いもの(③)ほど時間がかかるのです。

 
         医療法人 紫苑会 藤井病院|宮阪 英 副理事長
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